「もっとおしゃれになりたい!」「もっと自分らしくファッションを楽しみたい!」などのような意欲はあっても、いざブランディングを始めたり即刻新しい服を探そうと思った途端自分に合う色がそもそも分からなくなったり、どんな色をどのようにして組み合わせたら良いのか分からないと思いとどまることはよくあることです。さらには、自分らしいファッションだからといって、周りの人と異なる色のものを着なければならないとか、この色とこの色によるコーディネートはすでに別の人が着ているからそれ以外でなければならないなどと、人と被らないことに意識を向けてばかりなほど、自分本来の色というものから遠ざかってしまいがちです。よって、人と被る被らないに関係なく「自分らしさを出せる色」をあらかじめイメージしておくことは大切です。そんな今回は、自分自身のファッション研究に欠かせない愛読書の紹介とともに、写真をヒントに自分らしさを表現する方法についてお話したいと思います。

写真がおしゃれのヒントになるといっても、ざっくりしすぎていて一体どのような写真が自分らしさをファッションで表現するのに効果的なのかが見えてこないですよね。
では、そんなただの写真ではなく、「世界観写真」ではどうでしょうか?
12年間数々の大手メディアでスタイリストとしてご活躍され、現在はファッションにおいて自分を個性としてどう見せたいかや相手に伝えたいメッセージを主軸にした「世界観ファッション」のご考案者である谷内瞳さん著の「世界観ファッション講座」という大変興味深い本があります。(本文一番下から購入ページにアクセス可能です)この本は、もしも自分を商品に例えた際、自分だけの世界観としてどのように自己分析し軸を持てば価値ある自分を創造できるのか、即座に選ばれるためのファッションノウハウやマインドが詰まった、おすすめの一冊です。
その中でも、自分らしさを引き出すための実践的な方法として、自分をイメージさせる写真だけを集めた「世界観マップ」というものがあります。下のコラージュ画像1は、私がファッションで表現したい、あるいは相手に与えたいイメージをあらかじめ世界観テーマとして掲げ、それにふさわしい風景や人物、静止物の写真を組み合わせてできたものになります。ちなみに私の世界観テーマはブログのメインタイトルにある通り、「The Colorful and Spicy Journey 〜カラフルでスパイシーな長き旅の世界へようこそ〜」です。旅は「trip」や「travel」とも言いますが、私の場合「大器晩成」の如く時間をかけて一生懸命な様子とともに、夏から秋にかけての植物のように優しく温かいイメージから「joueney」を選びました。画像2は、集めた写真から自分がファッションに取り入れたい色を抽出させ、まわりにカラーシートを貼ったもので、ショッピングの際は常に持ち歩くようにしています。

ファッションのイメージ作りやブランディング方法は人によって考え方はさまざまですが、このようにあらかじめ自分の世界観テーマを決め、そのイメージに合った写真を敷き詰めることで自身のビジュアル要素が凝縮化され、自分だけの世界観が一目でわかるようになります。そして、自分の世界観ファッションのテーマにそって選んだ写真にしっくりくるほど、その個性も生かされてくるのです。
具体的なコツとしては、世界観マップにおさめる写真は6〜12枚程度にしぼり、そのうち1〜2枚は自分が出したい雰囲気に近いとされる服や表情をしている女性(男性)のポージング写真を、残りは風景や静止物の写真で構成するのが理想的です。さらに、それらの写真から自分がファッションで取り入れたい色を20色ほど抽出し、配色を決めた上で手持ち服と相談しながら世界観ファッションを作っていくことができ、自分なりたいイメージや相手に伝えたい想いがファッションに投影されるようになっていきます。

世界観マップ作りはそこまでお金をかけずに作ることができるので、自分の個性をファッションで見える化させたいと思った方はぜひ試してみていただければ幸甚です。好きな写真や色をハサミで切って貼って敷き詰める…学校の工作時間みたいでどこか懐かしい気分を味わいながらやってみるのもいいですね。
<参考文献>