百貨店やCA、銀行員などが規定通りに品よく着こなしている制服にはきちんと色の数が指定されていることから衛生的で清潔感が保たれています。この投稿の前と前々で、理想的でかつありのままの自分を表現するための配色方法を共通性や意外性、あるいは写真による見つけ方をもとにお伝えしてきました。この投稿で配色のことを初めて知ったという方は、ぜひそちらの内容を併せて参考にしていただければ幸いです。

 今回は、そんな共通性や意外性、写真をもとに導きだした配色を、いざ自分自身のコーディネートに反映する際、それぞれの色を具体的に全身の何割に当て、どのように形作ればバランス良く見えやすいのか、その効果とともに紹介していきたいと思います。

 まず最初に、コーディネートに生かす配色として、1つのコーディネートとして使う色の数は3色以内であることが重要です。これは実際私が20代の頃に直接指導を受けたプロのスタイリストや去年10月に取得したパーソナルスタイリスト®︎(「®︎」とは登録商標のこと)で使った教科書にも結論づけられており、やはり3色を超える配色コーディネート、ましてや有彩色の数が多いほど複雑になり、カラフルだけど上品さが損なわれてしまいがちです。逆に色数をある程度におさめることで、ほどよい清潔感やあらたまった印象を与え、同時に自己演出力や磨かれたセンスをイメージづけることができます。

3色配色によるバランスコーディネートの例

 では早速、3パターンの配色バランスを見比べてみましょう。上の図のように、小物は今回は除外しトップスの重ね着とボトムスによる3色コーディネート(昔金曜ヒ○ナンデスでやってましたね)を作ったとします。A、B、Cのどれがバランス良く見えるでしょうか?Aのコーディネートはアイテムが3つともほぼ均等の割合で組まれているため、一見統一感があってバランス良く見えても、コーディネートにおいてはその3色に規則性、特にグラデーション配色は単調でつまらない印象になってしまうため、組み合わせ方としてはおすすめできません。ただし配色によっては例外が生じる場合もありますが、結構ハイレベルだと思います。その一方で、BやCのコーディネートは3つのアイテムをそれぞれ異なる割合で組み合わさっています。このように、コーディネート全体の面積に対する個々のアイテムの色面積に変化をつけることによって、メリハリのあるバランスのとれた印象をつくることができます。また、色の濃淡やアイテムのデザイン次第では、着痩せやシルエットの補正効果も狙えるのでおすすめです。

さらに理論上では、きちんと感を出したい場合ベースカラー・サブカラー・アクセントカラーの3色を60:30:10の比率でコーディネートを組んでみるとより上品な印象を与えることもできます。

 なお、ベースカラー(※1)・サブカラー(※2)・アクセントカラー(※3)にはそれぞれ適した色があるのですがやはり自分らしさを表現したくなるほど常識は覆したくなるもの。しかし、一つだけ老け見えしやすい配色コーディネートがあります。それは、「配色がすべてベージュ」によるコーディネートです。なぜ老け見えしやすいのかというと、そもそもベージュは肌の色に最も近い色で、特にスウェットや厚手のニットに影響が出やすいのですが、アイテムのサイズが大きいほど体も大きく見えてしまいます。セットアップでない限り、よかれと思って上下ベージュのアイテムでコーディネート完結させるより、トップスかボトムスのいずれか1アイテムに肌の色から遠い、色味が異なる濃いアイテムを取り入れると引き締め効果に期待が持てます。

 配色を2色または3色ごとに分けた際、どの色をどれくらいの割合でコーディネートを組めば自分の世界観に近づけられるのかは人それぞれ考え方があります。これからもファッションをいろんな角度から一緒に考えていっていただければ嬉しいです。

※1 ベースカラー:基本的には黒・紺・茶・白・灰・ベージュのベーシックカラーが適しています。これらの色のいずれかをコーディネートの6割に取り入れるとまとまりのある印象になり、他の色とも合わせやすくなります。ベーシックカラーのアイテムは着るシーンを選ばず着回し力を高いので、もっておきたい色のアイテムのひとつです。

※2 サブカラー:具体的に適した色はありませんが、サブカラーはベースカラーまたはアクセントカラーと同色系のものを選ぶとすっきりとした印象にまとめることができます。

※3 アクセントカラー:いわゆる「差し色」のことですが、ベースカラーやサブカラーに対して意外性のある色を小さく用いる色が適しています。例えばベースカラーやサブカラーが鮮やかな色だった場合はくすんだ色や無彩色をアクセントカラーに、ベースカラーやサブカラーがベーシックカラーやくすんだ色の場合は彩度がたかくあざやかな色のアクセントカラーに持ってくると良いでしょう。

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