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前回の投稿の内容になりますが、ファッションコーディネートをする際はトップス・ボトムス・小物またはシューズの色の数の合計が3色以内であることが理想であるというお話しをさせていただきました。
しかし、コーディネートにおいて大切なのは、配色だけではありません。ある程度季節にあった素材でできた生地を知っておくことで、その季節にふさわしく調和のとれたコーディネートをつくることができます。近年のファッションアイテムでは、季節を問わず通年着用可能な生地でつくられたものも増えてきてはいますが、反対に春や夏らしさを象徴する生地や、秋や冬らしさを象徴する生地があります。そして、配色が整っているからといってどんな生地の服を合わせてもいいという縛りは全くなく自由に楽しんで良いのですが、どうしても季節上バランス的におすすめできないコーディネートの例があるので紹介したいと思います。
ファッションアイテムで使われている生地には数多くの種類があり、手で触ったときの質感や素材によって分類されます。中でも以下の生地は、春や夏に適していて、通気性がよく肌に密着しにくいのが特徴です。
・ワッフル:お菓子のワッフルのような、立体的な格子状のでこぼこがある。着心地が軽
く、肌に密着しにくいのが特徴。
・カノコ:表面のでこぼこが鹿の子(かのこ)の背中の模様に似ていることからこの名がつ
いたと知られている。ポロシャツによく用いられている。
・麻:丈夫な糸でつくられているが、織り目に小さな隙間があることから通気性に優れ、
おまけに吸水性も良い。
・レース:植物や幾何学模様をモチーフに繊細な柄として作られた生地。薄く透き通っ
ているため、上品な涼しさを与えることができる生地でもある。
・シフォン、ジョーゼット:レースや麻ほど通気性は優れていないが、薄く上品な透け感
があり柔らかな風合いもあることから、女性らしさも演出でき
る生地。
次に、秋や冬に適していて、保温性や防寒性に優れている点が特徴的な生地です。厚手のものが多く、風を通しにくくする効果もあります。
・ツイード:太さや色の異なる糸を紡いで作られた生地。その糸に毛糸が含まれる場合、
ツイードニットとも呼ぶこともある。
・ニット:糸の形や編み方によっては夏向けのものもあるが、太くてもこもこした毛糸で
作られていたり、かつハイゲージと呼ばれる編み目が細かいものほど保温性や
防寒性に優れている。
・コーデュロイ:綿素材でできた、ふわふわした短い毛羽と縦方向の畝(うね)が特徴的な
生地。ジャケットによく見られる。
・シャギー:「毛むくじゃらの」という意味があることから、その長く柔らかい毛羽が動物
の毛をイメージさせるような生地。ファッションアイテムではコートが一般的
だが、それだけでなくカーペットなどのようなインテリア家具にもよく使われ
ている。
・ネル、フランネル:表面が起毛されていて、厚手で柔らかく肌触りも良い生地。
・キルティング:2枚の布の間に綿を入れて格子状に縫われた生地。コートの内側に施され
ていることも多く、保温性にも優れている。
皆さんも、基本的には店舗で気になる服を見つけたら思わず手にとって質感を確かめたり、買う前に直接確認するのが難しい通販でも詳細説明などを見て確かめたりはすると思います。しかし今回取り上げた生地は、工夫次第では問題ありませんが、それぞれの季節に向いている生地と真逆のものを取り入れればどうでしょうか。例えば真夏なのに厚手のニットを着ていれば暑苦しかったり、逆に真冬なのに超薄手のブラウス一枚のみだと不健康な印象を与えてしまう恐れもあるので注意が必要です。さらに、下の画像のように冬向けの厚手のニットに春向けの薄手のガウンを上から着て、真夏に着るようなペラペラのパンツ、サンダルを組み合わせたコーディネートは生地の厚さに差が出過ぎて不調和になりやすくおすすめできません。厚手のニットに合わせるものには厚手のコートの方が相性が良く、防寒対策にもなります。また、春向けの薄手のアウターには薄手のトップスを下に合わせると自然な印象になりやすいです。
季節を象徴するアイテムを一足早く着こなすことで「おしゃれは季節の先取り」ともいいますが、重ね着するなど体を壊さないようにアイテムで調節する工夫も大事です。それぞれの季節にあった生地を選んで区別し、バランスよく組み合わせることで季節とおしゃれをより楽しめますし、印象アップにもつながります。特に夏から秋に変わるタイミングでは、さりげなく秋を先取りして旅行にも行きたいものですね。