駅ですれ違った女性が着ていたワンピース、ふと立ち寄った統一感のある建物、つい手に取ってしまうような色のラベルがついたペットボトル。私達は常に行動をしていると、その人が身につけている色や壁などの色が視界に入ってくると同時に、その色からふと感じたことや何かしらのメッセージを受け取ったりすることがあります。その色の印象が強いほど、記憶に残りやすいものです。逆を考えれば、私達が普段何気なく身につけたものでも、外に出ればその色でいつの間にか周りに印象を与えていたり、自分自身の気持ちをコントロールできたりもします。そんな「色」について考えたいと思います。色が持つ性質、身につける人の心理、印象、効果など自分と周りの観点で紹介していきますので、ぜひこの機会に色の意味を知り、ご自身のパーソナルテイストやコーディネートの参考にしていただけますと幸いです。「赤色」と「黄色」から始まり、前回は「青色」と「緑色」について紹介しました。今回は、「橙色」と「紫色」についてです。
5、橙色(オレンジ)
みかん、ジャック・オ・ランタン、にんじん、夕日の色でもある橙。
橙色には「楽しみたい」とか「目標がある」、「存在感を放ちたい」といった潜在意識があり、動きを活発化させたり成長ホルモンを促す効果があるといわれています。橙色のものを身にまとうことで、周りには温厚で親しみやすく、元気ではつらつとした印象を与える効果があります。また、橙色のは食欲の増進の効果もあることから、大手飲食チェーン店のメインカラーや看板の色にも採用されています。
このように、気軽に接したい気持ちや食欲を高める効果があるのが橙色の特徴であるといえます。
6、紫色(パープル)
ぶどう、すみれ、風呂敷、宝石のアメジストの色でもある紫。歌舞伎や神社ののれん、着物の色としてもよく使われていますね。
実はそんな紫色には「品が良い人と思われたい」とか「他人と違うところがある」といった潜在意識があり、ひらめきが冴えたり緊張や不安を和らげる効果があります。紫色のものを身にまとうことで、雅で高貴、物静かでどこか謎に包まれた印象を与えることができます。
ちなみに、慶弔で使う「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる包み布は紫色が良いとされているのはご存知でしょうか。結婚式などの慶事とお葬式の弔事の両方で使うことができるからです。(ただし、薄紫色あるいは藤色は慶事のみ使用可能)慶事ではご祝儀を、弔事では香典などを入れるための袱紗を用意する場合は、まずはシンプルな紫色のものが良いでしょう。ただし、紫色でも色味や柄、花の刺繍についてはマナーがあるので、詳しい記事は一番下のURLをご参考ください。
このように、歴史と伝統を重んじつつ、品が良く幻想的な雰囲気を出してくれるのが紫色の特徴であるといえます。
明るくて親近感が持てる橙色に対し、落ち着いて高級感のある紫色。どちらも正反対のイメージではありますが、「普段は明るく接したいけど、大事な時こそ落ち着いて頑張れる」みたいな感じで、コーディネートにもそういった色によるメリハリ系を取り入れてみるのも良いと思います。また、前回は青色や緑色はファッションだけでなくメイクのアイシャドウのアクセントカラーとして取り入れるのもおすすめとお伝えしましたが、橙色や紫色もそれぞれの魅力アップにつながるのでおすすめです。特に橙色、またはオレンジ系のコーラルなチークやリップも元気のよさをアピールできるので良いですね。ファッションもメイクにおける印象の決め手の大半は「色」で決まってくる、ということです。