「どんな服を着ていこうかな…」とざっくり悩むと同時に、何色のトップスと何色のボトムスを組み合わせたら良いのかを考えるのはよくあることだと思います。ファッションに敏感な人(専門用語では「ファッショニスタ」)ほど、旅行シーンや大切な方とのお出かけなど特別なイベントを控えていればそれほど真剣に考えて選ぶのではないでしょうか。私も大学進学と同時に田舎から都会へ引っ越し、出身の学部では女子の割合が比較的多かった影響で少しずつファッションに敏感になり、イベントなどではその日に着ていくコーディネートを2〜3日かけて考え込んでいたこともありました。
コーディネートをじっくり考えている時間が好きだし楽しい!、と思うこともあるかもしれませんが、日々の仕事や突発的に出かけなければならないことがあるとなると、毎日毎日コーディネートに悩む時間は極力削ってパパッと選べるようになりたいものです。今回は、スタイリングにおいて気をつけておきたい色や柄物アイテムの組み合わせ方についてお話したいと思います。ファッション業界では、アイテムの色と色を組み合わせることを「配色」と呼んでいるのですが、理想的でかつありのままの自分を表現するにはこの「配色」も重要になってきます。そのような配色のコツについて触れる前に、ちょっとした知識として配色の注意点から紹介します。
1、「ハレーション」に注意

ハレーションとは、彩度が高く目がチカチカするくらい鮮やかな色同士を組み合わせることによって、相手を疲れさせてしまう現象をいいます。ハレーションはもともと写真や映像を作る際強い光が当たることで被写体やその周りが白くぼやけてしまう現象を指す用語として使われいて、さらにビジネスシーンにおいては「悪影響を与える」という意味もあります。
特に、一般的なカラーサークルで反対同士に位置する色のことを「補色」というのですが、この補色同士かつ高彩度同士の配色コーディネートは、インパクトがあり目を引く反面、ビジネスシーンや初対面あるいは目上の方にとっては攻撃的であったり暑苦しいなどのマイナスな印象を受けてしまう恐れもあるため注意が必要になってきます。なお、補色同士あるいは高彩度同士の配色コーディネートは、その色と色の間に白や灰色、淡いゴールドやシルバーのアイテムを差し込んであげることでハレーション効果をやわらげることができます。この方法を、ファッション用語では「セパレーション配色」とも呼んでいます。
2、上下「柄物」のアイテムによるコーディネート
ファッションモデルやおしゃれ上級者な方ほど柄物アイテム同士の組み合わせに自信があったり、個性的かつ大胆に見せることで周りにインパクトを与えたいタイプの方もいるかもしれません。しかし、もともと柄物アイテムが好きで無性に柄物アイテムばかりを集めてしまう場合、それがある程度計画的であれば良いのですが、下の画像のように無計画で適当に柄と柄を組み合わせただけのコーディネートはおすすめできません。柄物はそのアイテムに使われているモチーフが存在感やコントラストが強いものほど主張性が強いため、どんなシーンでも合わせて良いというわけではありません。


柄物アイテムを購入したくなった際は、手持ちの服との相性や自分がなりたいスタイリングの完成像などをあらかじめイメージしておくことが大切です。
ファッションで得た知識や情報を自分はどう生かすか、どのように工夫すれば自分の理想やありのままを表現できるのかなど、自分のファッションを最終的に判断できるのは自分自身のみ、とよく冒頭に置いています。しかしビジネスシーンや初対面あるいは目上の方の前では、あくまで社会的な常識の範囲内で配色コーディネートを組むよう心がけることも大切です。奇抜で大胆、個性的でかつ常識を覆すようなファッションも魅力的ですが、立場をきちんとわきまえた配色のコーディネートを意識すれば、それぞれのシーンでのセンスアップに期待を持っていいのかもしれないですね。